材料
蕎麦粉 挽きぐるみ・せいろ粉 415グラム 並粉、せいろ、更科、田舎等
つなぎ 小麦粉(中力粉) 85グラム 山芋、蓮根、ふのり、卵等
冷 水 挽きぐるみ 46.0%〜47.0% 230〜235グラム
せいろ 49.5〜50.5% 245〜255グラム
更科蕎麦(さらしなそば)上質のでんぷん質
蕎麦の実の中心部分を取り分けた粉のため、蕎麦本来の香りや
色合いが無く、全く違った感触の蕎麦になります。デンプン質が強い為、
熱湯でデンプン質を凝固させ、つなぎまとめる方法が一般的で打ち手の
技術や熟練が必要となります。
更科の生粉打ちを更科の生一本と称し、蕎麦職人の腕前を測る定規と
なる。
加水量の条件
(温度、湿度、蕎麦粉の種類に加え、つなぎ比率、蕎麦粉の種類、粉の
水分量、水や粉等の材料量の温度、蕎麦打ちの技量で変化してきます。)
冬場(乾燥が強い)52%と夏場(湿気が強い)42%では、加える水の量
で10%くらいの違いが有ります。
一、鉢
1.水まわし
2.ねり・くくり
3.まとめ
4.くるみ
5.清掃
二、延し
1.つぶし
2.丸出し
3.四ッ出し
4.肉分け
5.荒・本延し
6.仕上げ・検査
7.たたみ
8.清掃
三、包丁
1.切り
2.払い
3.収め
4.清掃
たっぷりのお湯で、少量の蕎麦を湯がく事が大切。
温度の低下を防ぐ為 蕎麦は茹でるのではなく、ゆがく気持ちが大切。
風味・栄養素の低下を防ぐ為。
1.水で冷やし、
水洗いで素早く滑りを取る。 麺のくっつきを防ぐ。
2.冷水で蕎麦をしめる。 余熱での茹でを止める。
3.水切りをしっかり行う。 香りを引き出す。
4.盛り付けは、はやくきれいに 体温がそばに伝わらないように素早く。
5.蕎麦が伸びないうちに、食する。
風味・舌触り・口あたり・のど越しを楽しむ。特に、細切りの場合は、劣化が早いために早々に食べないと、蕎麦の美味しさが半減する。
又、蕎麦の栄養をなるべく損なわないように調理し、提供・補給する事が一番大切な事。
好みの問題もございますが、色合いや太さや長さ等で、良い蕎麦切りと判断すると、蕎麦の楽しみ方が半減します。
特に、地方の方に多いのですが、蕎麦殻の入った田舎・挽きぐるみ粉で打った蕎麦の方が、蕎麦の純度が高いと勘違いされ、 蕎麦殻を脱皮した並粉・せいろ粉で打った蕎麦は、色が薄いからつなぎが多く蕎麦の純度が低いと判断される方が当県に多いと感じております。
ワインに例えて言うと、赤ワインはブドウの含有率が高く、良いワインで、白ワインはブドウの含有率が少なく、多くの水か何かで薄めてあるワインだと考えているのと同じ過ち事を、 蕎麦の場合、平気で判断されている方が意外と多いと感じております。
又、蕎麦にも赤白をブレンドしたロゼワインのような混合蕎麦もありますし、蕎麦の実の芯に近い部分の粉だけで蕎麦にした【さらしな蕎麦】等、日本酒で考えた場合、吟醸酒に例えられる蕎麦もございます。
蕎麦を食するポイントの違い、田舎蕎麦の場合は、素朴さや蕎麦の食感(こしを歯ごたえやもっちり感と考えている方が多い)をかなり重視しておりますが、 舌触りや喉越し(食べやすさ)、蕎麦本来の香りについては、あまり評価の材料にしていない感があります。
東京など町方の蕎麦を食するポイントは、食感(こしや舌触り)と喉越し、風味、色合い等の素材を重視し、蕎麦の長さや太さ等の食べやすさ、蕎麦の角の立ち具合等の職人の腕前、 つゆのバランスや蕎麦とのバランス、盛り付け方や盛り付ける量にまで、口を出しチェックをする方がいらっしゃいます。
どちらが良い蕎麦かどうかは、各地域に根付いて発展した蕎麦の文化の特性もあり、個人の好みに判断される事と考えておりますが、もう少し幅広く、 今日は、田舎蕎麦、明日は、並せいろ蕎麦と言う風に楽しむのも、なかなか面白く良いのではないかと考えております。